地殻変動が起きているメディア環境を観察し、そこで流通するコンテンツを批評
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23:58:10
昨日に引き続きの今年上半期に見た映画のレビュー、今夜はアジア映画と日本映画。

(アジア映画)
1月18日
これも観たかった台湾の青春群像劇『モンガに散る』、なかなか深みがあって良い。学生時代、侯孝賢作品に感銘を受けた身としては最近の台湾映画の復調はうれしい。薄幸なヒロイン役の女優、気になる。
2月11日
ヴェトナム映画『コウノトリの歌』。ヴェトナム戦争を描いたアメリカ映画は多いし、佳作も多いが、どうしてもアメリカの視点で作られている。そういった作品では悪や敵として描かれがちな北ヴェトナムの視点からあの戦争を描いているだけで、この映画は十分過ぎる存在価値がある。しかも感動作。
2月16日
台湾史上2位の興行収入という『海角七号/君想う、国境の南』。台湾映画、復活してるなあ。微妙にイナタイんだけど、なんともいえない暖かさとか優しさとか非常に台湾っぽい。風光明媚なロケ地、行ってみたくなった。
2月17日
韓国映画『ほえる犬は噛まない』。もう11年前の映画なんだ…。ベタな恋愛ものは苦手だけど、こういう日常を描いたようなドラマはいいな。ポン・ジュノはうまい。イ・チャンドンと並ぶ韓国の鬼才。
5月15日
久しぶりに『男たちの挽歌』、ジョン・ウーの熱い香港ノワール。1980年代後半、本当に香港映画は活気があった。チョウ・ユンファもカッコいい。真の亜州明星はこの人とテレサ・テンだけ。
5月16日
昨日に引き続き『男たちの挽歌Ⅱ』を引っぱり出して見た。スピンオフだからⅠには敵わないが、やっぱりいい。深作欣二あたりのヤクザ映画の影響を受けてるらしいが、アル・パチーノが出てるようなアメリカ映画にもこんな感じの作品は多いし、任侠モノって普遍性があるテーマなのかも。
5月17日
3夜連続の『男たちの挽歌』、しつこく見てきたのは今日BDで「最終章」を見るため。といってもスピンオフではなく、スタッフやチョウ・ユンファはそのままで別話。この適当さが香港的だが、この作品は葉倩文、サリー・イップが素晴らしい。90年代前半に香港歌謡にハマってた頃思い出す。
6月21日
巨匠イ・チャンホの『暗闇の子供たち』、暗・重・哀という80年代韓国映画の基本3原則に忠実な大傑作。主演のナ・ヨンヒは身をやつし転落する薄幸な女性を演じたら世界一。最近の韓国映画が社会の本質を描ききれてないと思えるのは、表現の自由を得て感性が鈍ったのか、過度の商業主義ゆえか…

(日本映画)
1月6日
先日亡くなった森田芳光監督の『家族ゲーム』。高校の時にリアルタイムで見ただけあって懐かしい空気満載だが、松田優作の演技も最高で、今見てもとんでもなく面白い。邦画低迷が加速したとされる80年代だが、きちんとした映画人が素晴らしい作品を作っていたのだ。
1月16日
湊かなえ原作の映画化『告白』。ひたすら暗く、重苦しい。製作委員会にテレビ局が入っていないことも納得…これはOAできないでしょ。でも、それにもかかわらず、結構ヒットしたってことは作品が評価されたってことか。
3月7日
『ソラニン』、大好きなマンガの実写映画化だけに見る前は期待と不安が混じったが、すごく良かった。浅野いにおのホワっとした空気とか微熱感みたいのがうまく醸し出されてて、うれしかった。宮崎あおいはやっぱスゴイ。しかも大学の後輩の女性が製作に関わってることも発見。
3月30日
山田洋次監督『家族』。日本にこんな素晴らしいロードムービーがあったなんて知らなかった。僕が生まれた頃の日本、今よりも都会と田舎の距離は遠く、でも家族間の距離は近かったことがよくわかった。重厚長大の時代、国鉄は多くの人の希望と不安を北から南から運んでいたんだろう。
4月12日
大島渚監督、1969年のATG映画『少年』。ずっと見たかったがようやくDVDで購入。子供に当たり屋をさせながら日本全国を旅する家族という設定に惹かれたが、実話をモデルにしているとは…。社会派・大島渚の先鋭的作品、あたかも1篇のドキュメンタリーフィルムを見ているようだった。
4月27日
小栗康平監督『泥の河』、原作は宮本輝。昭和30年代、急速な社会の変化から取り残された人々の実に切ない話。近年『Always三丁目の夕日』などに見られる「貧しくも明るく幸福だったあの頃」的な昭和30年代回顧に嘘っぽさと違和感を覚えていたのだが、この映画の世界にはリアリズムを感じた。
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22:05:32
まずい、ブログ更新が滞っている…ということでTVの雨傘番組的な総集編企画。ちょくちょく映画の感想をtweetしてきたので、今年前半に見た映画のうち、アメリカ映画19本をまとめてみる。こうして見ると、これまで何度も見た映画を飽きずにリピートで見ていて、初見作品は少ない。しかも、すごく作品群に偏りがあって、70年代舞台、青春群像劇、ロードムービーが多い。結局、好きな作風のものばかり見ていて、SFファンタジーやラブコメ、ホラーなんかは皆無。

1月8日
久しぶりにオリバー・ストーン監督『プラトーン』。プロットや世界観など、間違いなくヴェトナム戦争モノとしては最高傑作の1つ。大学生の頃、ヴェトナム戦争の映画にハマってたけど、考えてみれば当時はまだ冷戦が終わってなかったんだな。
1月10日
先日に引き続きオリバー・ストーン監督『7月4日に生まれて』。もう10回くらい見てるかな…ヴェトナム戦争とアメリカの正義について考えさせられる素晴らしい作品。トム・クルーズが単なるイケメン俳優じゃないことを証明したことでも重要。
1月16日
ずっと観たいと思ってた『ソーシャルネットワーク』。なかなか面白いと思えたのは、FBがなぜ成功したか云々といった話よりも、きちんと人間を描くことでのドラマツルギーがそこにあったから。しかし、ジャスティン・ティンバーレイク、演技上手いな(はまり役だったか?)
1月21日
90年代半ばに話題になったコーエン兄弟の『ファーゴ』。誘拐事件話だけどプロットはイマイチ、もっと捻ってもイイんじゃないか?(実話ベースだからしょうがないのか…)それよりこの映画はいかにもアメリカ中西部の冬の感じをうまく描いていて、生活経験者にとっては感慨深い。
1月26日
『ミステリック・リヴァー』、なんで今まで観てなかったんだろう?監督がクリント・イーストウッドで、出演がケヴィン・ベーコン、ショーン・ペンにティム・ロビンスでは当然期待大。最後まで飽きなかったが、後味悪い話。やはりサスペンスはなぜ?なぜ?と疑問&不自然な点がいっぱい湧いてくる。
2月1日
6年前のアカデミー賞作品賞『クラッシュ』。人種間対立を描いたアメリカ映画は珍しくないが、「わかるな~」って箇所が随所にあった。登場人物が多くて、1人1人の葛藤とか心情の変化とかが描ききれてない感じもしたが、脚本はよくできてて「あ、もう終わった」って感じ。
2月9日
映画史に名を残す名コンビ、スコセッシ&デニーロの『グッドフェローズ』。ジョー・ペシもお約束のキレキレ演技。ギャングスタ群像劇だけど重くも暗くもないのは、70年代の香り濃厚な音楽の使い方がうまいのとファッションゆえか。こういうのがスコセッシの卓越したセンス。
2月23日
97年の『ブギーナイツ』。1970年代から80年代のポルノ映画産業に棲息する人たちを描いた話というだけで面白そう。途中ちょっと飛躍する感はあるが、当時の風俗・流行の描き方も秀逸だし、良くできてる映画。160分ってのはちょっと長いかな。
2月25日
『イントゥ・ザ・ワイルド』、ショーン・ペン監督の素晴らしい作品。文明とか物質とか成功じゃなくて、本来の幸福とか自分の存在意義とは何かということなんだけどね。ロードムービーという形式もすごく効果的だけど、こういう作品はもっと若い頃に出会いたかったなあ。
3月17日
ジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』。『ストレンジャーザンパラダイス』からの一貫した作風、そして相変わらず演者のlineが素晴らしい。こういった派手さとは無縁の作家がいて、きちんと評価されているのは素晴らしいこと。確かにタバコとコーヒーって合うな、やめて久しいけど。
3月24日
ガスヴァンサントの作品はどれも好きだが、出世作『ドラッグストアカウボーイ』はやはり別格なのでBDを買ってみたところ、映像がより深くなったように感じた。やっぱBDで見ると違う。
4月15日
B級映画の帝王ロジャー・コーマンの一番弟子ピーター・ボグダノヴィッチ『ラストショー』。70年代に作られた50年代アメリカ地方都市回顧と言えば『アメリカングラフィティ』だが、こちらの方がはるかに心理描写が深い。そして、全編モノクロなのに迫力ある俳優陣の演技が素晴らしい。
4月28日
スコセッシ初期傑作『ミーンストリート』久しぶりに見た。単なる群像劇を超えたストーリー、絶妙な音楽&ファッションへのこだわり、デニーロら出演者の演技など、全てキレまくっている。後の『タクシードライバー』や『グッドフェローズ』につながるスコセッシの作風はここから始まっている。
5月22日
『ビッグウェンズデー』、1960~70年代のカリフォルニアンサーファーの青春群像といえば明るくノー天気な作品と思われがちだが、実は重い映画。それはヴェトナム戦争の暗い影などがきちんと織り込まれているからか。桑田佳祐『稲村ジェーン』はこの映画に相当インスパイアされている気がする。
6月2日
すごい久しぶりに『狼たちの午後』。この頃のアル・パチーノの演技のキレ方は凄いが、実は『ゴッドファーザー』にも通じるジョン・カザールとの対比が面白い。カザールは『ディアハンター』でもダメ男を素晴らしく演じてた。今さらながら早逝が惜しまれる。
6月3日
昨夜に続きシドニー・ルメット監督&アル・パチーノ主演の社会派作品『セルピコ』。何度見ても泣ける話だが実話ベース。70年代初頭のNYCの街並みやファッションも興味深い。榊原郁恵が「アル・パチーノ+アラン・ドロン<あなた」を歌うのはもう少し後か。
6月9日
アーサー・ペンが『俺たちに明日はない』の次に撮ったヒッピーの青春群像劇『アリスのレストラン』。ウッドストックの年に作られただけにリアルなヒッピーが描かれてると思われるが、あまりラヴ&ピースみたいな主張がないのは新鮮。「嫌なことはしない」ってのはいい。
6月16日
ニューシネマ最高傑作とも言われる『ファイブ・イージー・ピーセス』。常に閉塞感や焦燥感を覚えて現実逃避を繰り返す主人公の苦悩がうまく描かれているし、ジャック・ニコルソンの演技も素晴らしいが、『イージーライダー』のようなわかりやすさや共感はない。ラストは非常に印象的な名シーン。
6月17日
『パルプフィクション』のユマ・サーマンが酔っぱらって踊りまくって、ドラッグで意識をなくすシーン、これまで何十回も見たが本当にカッコいい。トラボルタとのカットバックが活きてる&ちょい切ない感じの音楽もいい。あの映画でこのシーンが好きな人も珍しいかもしれないけど。

23:11:41
 BSフジで4月から月曜夜10時に放送していた『東京ラブストーリー』が昨夜終了した。1991年1月~3月の放送以来、恐らく何度も再放送され、DVDも販売されているが、今回実に21年ぶりにじっくり見てみた。ちなみに本放送当時、僕は大学4年生。ドラマの登場人物たちとはほぼ同世代と言ってもよく、勝手に親近感を抱いている。
 1991年と言えばバブル景気が縮小し始めた頃である。それまで家でテレビ見てるよりは外にいた方が楽しいことがあると思っていた若者たちが、少しずつ遊びを自粛し始めた。特に週初めの月曜日は在宅率が高く、そこで若者をターゲットにしたドラマをやるわけだが、それまでの1980年代後半に隆盛を極めた「楽しけりゃOK」的な明るくて軽い作品は、世の中の空気とずれ始めている。『東京ラブストーリー』が大ヒットしたのは、主要人物が「見た目は美男美女なんだけど、性格や行動は極めて真面目で純朴な点」にあったのではないだろうか。プロット上、固定電話(ケイタイに非ず)やカンチの田舎が非常に重要であるわけだが、それらのアイテムも考えてみれば相当地味だ。
 よく『東京ラブストーリー』はトレンディドラマの代表作のように言われる。トレンディドラマが何なのか明確な定義はないと思うが、しかし、あの地味さとトレンディはどう考えても相容れないような気がする。「こういうライフスタイルがナウい」的な発信も全然ないわけだし。しかし一方で、『東京ラブストーリー』には、あっけらかんとした明るさはないが、変な暗さもない。この後、ヒットドラマとしてはドロドロした恋愛ドラマや倒錯モノも出てくるわけだが、そういった作品に見られる重さや暗さは微塵もない。とにかく普通のことを、鈴木保奈美や織田裕二や江口洋介が演じている(さすがに演者まで地味だと、ドラマとしては問題ありだろう)。
 バブル末期とはいえ、その先に「失われた10年」が来るとは知らず、まだ微熱がくすぶっていた頃だ。「少し経てば景気は回復するだろうし、とにかく前向きに明るくしてよう、でもバカ騒ぎはもうおしまい」みたいな時代の空気が、『東京ラブストーリー』には漂っている。
 ちなみに『東京ラブストーリー』はその後、海を越え、1990年代半ばには台湾や香港でも大ヒットする。成功要因として、「カンチ、セックスしよう」という有名なセリフに代表される赤名リカの「男性に対して積極的なキャラクター」が、それらの国・地域で好意的に受け入れられたと指摘された。そして『101回目のプロポーズ』や『ロングヴァケーション』、『やまとなでしこ』あたりが続く。台湾人の友人とKTV(カラオケ)に行ったら、月9テーマソング縛りみたいになってしまったことが懐かしい。そういう「海外で日本のドラマが人気」といった話題も聞かなくなって久しいな。 

00:18:28
 テレビ好きだった子供の頃や、仕事でテレビを見まくっていた頃から見れば、本当にテレビを見なくなった。でも、たまに無性に見たくなる時がある。例えば、「今日も1日疲れたなあ」って感じの夜である。インターネットで検索して、自発的に何か気になるサイトや情報を求めることすら面倒な時、何でもいいから面白いものを見せてくれて、極めて受動的に楽しめる番組があればなあと思う。
 今、部屋のTVには『探偵ナイトスクープ』がついている。今から20年くらい前、僕は東京のテレビ局に勤務していて、「何やら関西ですごい人気の番組がある」ということでナイトスクープの同録テープを見た。なんか地味で、スピード感のない番組だなと思った(多分、編集のせいだと思う)。その後、東京でも放送されたが、視聴率的には少なくとも関西ほど成功はしなかったと記憶している。
 その『探偵ナイトスクープ』、今でも関西では人気番組で、しかも僕にとっては数少ない「放送が楽しみな番組」になっている。なんでだろう…考えてみれば、今日のバラエティ番組の嫌な部分が少ないのである。今見ても編集はユルいが、ボーっと見るには心地よい。変な作りこみ感がない。素人いじりがうまい中年タレントを探偵として揃えているところもいい。わけのわからない若手タレントの自分語りよりもはるかに面白い。そして、やや専門的だが、笑いや拍手もスタジオで起きているものを最大限生かしていて、ラフトラックを足したり、スタッフが無理に笑っていないところが、笑いを強要されていないようでいい。
 余談だが、数年前にゼミの研修と称して、ABCでナイトスクープの収録を見学させて頂いた。非常に驚いたのは、収録時間が短いことだった。長々とスタジオ収録をして、ほんの一部の面白いところだけを抽出して使う、今日のバラエティ番組の一般的な作りとは違っていた。「面白いとこだけ使って」じゃない分、収録時は緊張感があった。放送を見ていて感じるユルさとは裏腹に。
 テレビ番組の企画が頭打ちで進化を感じにくい今日、『探偵ナイトスクープ』みたいに独特な様式美を維持している番組は貴重だ。でも、この感じは狙って醸し出せるものでない。やはり過去20年間、テレビ番組のトレンドには左右されず、スタイルを継続し続けたことの蓄積だと思う。

22:19:05
 今週の「Newsweek」のカヴァーストーリーは「息切れクールジャパン」。日本のポップカルチャーの海外展開に陰りが見え始めているという内容。

 日本のポップカルチャーがアメリカに広がり始めていると僕が実感したのは1997年、当時勤務していたテレビ局の研修で彼の地へ留学をしていた時だった。アメリカの街にはカートゥーンやらトレカやらTシャツやらを売るようなゴチャゴチャしたサブカル系の店がよくあるのだが、そこで日本のアニメキャラのグッズなんかが目についた。そういったムーヴメントは2001年に再びアメリカで住み始めた頃にはもっと大きくなっていて、僕がメディア系の大学院にいたせいもあると思うが、日本のアニメやマンガのことを聞かれる機会も多かった。ダグラス・マグレイが「日本は文化的にカッコいい国」などという論文を発表し、話題になったのもその頃だ。

 今から4~5年前、知り合いのアメリカ人教授が研修で十数人の学生を京都に連れてきた。神社仏閣以上に彼らを夢中にしたのはアニメイトであり、ブックオフだった。その数日前には秋葉原にも行っているはずなんだけど…。そのうちの1人が僕に「京都でどうしても行きたいところがあるからアポを取ってくれ」と言う。どこか尋ねると、Nintendoだと言った。来日の最大の楽しみは、アニメやマンガ、ゲームの本場の空気に浸ることのようでもあった。

 それが今じゃ失速してるってことか…でも、なぜだろう?ひょっとしたら、飽きられ始めているのかなと思う。大体、マグレイには悪いが、日本のポップカルチャーを総体として考えた時に「カッコいい」という捉えられ方は主流ではなく(もちろん一部のアニメ作品がそういう評価を受けていたことは否定しないが)、むしろ、オタク、コスプレ、アイドル等々、なんかよくわからないが新奇で、変わってるというような印象だったのではないだろうか。そういうものであれば、人々は面白がって飛びつくが、やはり飽きられやすい。

 Newsweekにもある通り、本質的にはカッコいいと捉えられていないものに「クールジャパン」などという呼称は確かにアンクールだし、そもそも多様なジャンルや作品が存在する中で、それらの個別性を超えた呼称には無理がある。ただまあ、それは便宜的にという面もあるだろうし…(そう考えると「韓流」というネーミングはなかなかいいが、やってることを見ると、自国人が自国文化をカッコいいと宣伝してしまってるところは、日本も韓国も一緒だ)。

 もう1つの重要な論点は、よく指摘される点だが、人気がある割にビジネスとして成立していないという点。日本のポップカルチャーの多くは元々、国内市場だけを向いて制作・販売されていたわけで、海外でも人気が出てきたというのは想定外の偶発的な出来事であり、そこには戦略などあるはずがない。むしろ、海外市場で大して何も仕掛けてないのに、これだけ人気が出たことの方が驚きだ。でも、それではなかなか収益には結びつかない。

 経産省がメディアコンテンツ課を立ち上げ、「これは日本の主要産業になるかも」と公的援助を導入し、官民一体になってポップカルチャー振興に努めるのは結構な話だが、彼らが乗り出した頃から、海外における日本のポップカルチャー熱が冷め始めたとしたら、皮肉な話だ。所詮、多くはポップカルチャーと縁遠い所にいた官僚たちであり、割り振られた枠内で厳正に予算を執行することが最重要課題なのかもしれない。

 一体どうすればいいのか。なかなか難しい。これまで培ってきた作品作りのノウハウや創造性、あと人的資源なんかを考えると、日本のポップカルチャーがそう簡単にダメになるはずはないと思うのだが、それでもスキームとしてはある程度の方向性の変更や、選択と集中を再検討する時期なのかもしれない。しばらく注視する必要がありそうだ。




22:09:19
ブログを始めてみようと思う。

確かブログはイラク戦争の頃に脚光を浴び始めたと記憶している。だとすれば、もう約10年前の話で、今さら感はある。しかも、以前からブログをやってみたかったなどということは全くなく、今朝なんとなく思いつき、1日そのことを考え、今実行に移し始めた次第。

さて、何を発信するのか?大して面白い日常生活を送っているわけではないので、日記みたいなものは書きようがないし、書いたところで面白くなりようがない。自分なりに問題を提起でき、また、持っている知を少しでも世に役立てようとするならば、おのずと仕事と趣味に関連すること、つまりメディアやコンテンツ周りの話になるだろう。

近年、メディアの変動は本当に激しく、フォローしていくのもなかなか大変だなと大学で講義しながらいつも感じている。ある程度の即時性を持って、メディアの動きを整理・分析する場があるといいなあ…ひょっとしたら、そういう思いがブログをはじめたきっかけなのかもしれない。論文はそんな簡単には書けないし、twitterはたった140字。そしてfacebookは僕のような中年にとってはグルメや旅行、家族の近況報告の場と化している。じゃあブログか、みたいな。

でも、ブログって一体どれくらいの頻度で更新するものなのだろうか。あまり自分に厳密なノルマを課すとキツそうなので、仕事など全て終わらせて時間が余ってるようだったら書くことにする。

ではでは、よろしくお願いします。

プロフィール

大場吾郎

Author:大場吾郎
大学教員であり、メディア研究者。専門は映像メディア産業論やコンテンツビジネス。元々は某キー局勤務。
Twitter:@obagoro

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