地殻変動が起きているメディア環境を観察し、そこで流通するコンテンツを批評
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12:58:02
 毎週『半沢直樹』を見るのを楽しみにしている…などと言うと、一体いつの話をしてるんだと思われそうだが、今現在の話である。アメリカの日本語番組チャンネル「テレビジャパン」でも10月中旬から毎週一話ずつ『半沢』の放送が始まり、今週で第4話が終わった所である。話数は全10話なので、今年中には最終回を迎えられそうだ。
 テレビジャパンと言っても知らない人は多いと思うが、北米で日本の番組を放送しているチャンネルで、NHKエンタープライズや伊藤忠などが運営している(ヨーロッパにも似たようなチャンネルのJSTVがある)。チャンネルは1つしかなく、当然NHK番組中心の編成だが、民放番組も遍在する(例えばテレビ朝日『ミュージックステーション』など)。視聴には衛星放送やケーブルテレビ、IPTVなど多チャンネルメディア契約が必要だが、ベーシックパックには含まれていないので、別途オプションとしてチャンネル契約が必要となる。
 ちなみに我が家の場合、毎月ケーブルテレビ視聴料は$40ほどだが、それ以外にテレビジャパン視聴のために$25ほど払っている。日本でNHK受信料が地上波放送のみで月1,200円程度、BSを足しても月2,200円程度なので、テレビジャパンの料金はかなり高額に感じる。少なくとも我が家的には費用対効果が良くない。日本の番組を放送する唯一のチャンネルで、しかもNHKと民放番組の混合編成となると、それこそ日本の人気番組がラインアップに並んでいそうな気もするかもしれないが、実際の編成はこんな感じ。我が家の場合はニュースをリアルタイムで視聴するために契約はしているが、その他に見る番組は少ない。しかも肝心のニュースもスポーツや海外映像は「放映権の関係でご覧頂けない」などという「お断り静止画面」に切り替わって、毎度がっかりしてしまう。このようなチャンネルだけのために月々日本円にして2,500円程度を払っているわけである。
 僕は別に熱心なドラマウォッチャーではないが、さすがに『半沢』のような、日本であれだけ話題になったドラマは見てみたいとずっと思っていたところ、上述のようにようやく放送が始まった次第である。現実的には日本での放送と時差なく海外で放送するのはなかなか難しいとは思うが、台湾の日本番組専門ケーブルチャンネル(日本人というより台湾人視聴者向け)の場合だと『半沢』は今月7日に始まり、18日にはすでに最終回まで放送している。恐らく1日1話放送されたと思われる。それに比べて、これだけネット等でネタバレしまくっているのに、毎週1話ずつしか放送しないテレビジャパン…在留邦人視聴者という安定市場(といってもその数は減っていると聞くが)に支えられた唯一の日本番組専門チャンネルでは所詮こんなものか。
 それでもテレビジャパンで『半沢』を毎週1話ずつ見るしかないのは、他に妥当な視聴方法がないからである。ネットでは配信されていないし、仮に日本国内で正規に配信されていたとしても、国外からはアクセスできないだろう。中国や韓国の動画サイトを検索すれば、違法にアップされたものが見つかるかもしれないが、探すのが面倒くさいし、そういうサービスを容認してもいけないと思うのでパス。ロケーションフリーって方法もあるが、色々と複雑そうなのでこれもパス。そもそも既に日本の家を出てしまっているので、機材も設置しようがない。
 しかし、実は1つ方法がある。レンタルDVDである。アメリカにある日系スーパーマーケットであれば、どこの店もレンタルDVDサービスを行っていて、日本ではDVD化されていないラマやバラエティ番組も見事に揃っている。このようなサービスは昔からあり、かつてはVHSだったが当然今ではDVDが主流になっている。下の写真のように『半沢』も揃っている。『半沢』はまだ日本でDVD化されていないのだが、なぜ?

写真 (1)

 なにせパッケージのチープな感じからも怪しい感じがするが、別に海賊版を扱う違法サービスではない。放送番組著作権保護協議会(放番協)が中心になって在米邦人向けサービスとして行っている事業(「放番協認定ビデオ供給事業」)で、DVDもきちんと権利処理がなされている。そもそも放番協とは、日本脚本家連盟(日脚連)が中心になって設立された団体である。とかく権利処理に厳しいと言われる日脚連が率先してやっている事業がこのDVDレンタル業というわけだが、1泊2日で$1のレンタル料金ではディスク代、コピー代、パッケージ代、輸送費などを除けばほとんど儲けもなく、従って著作権者・著作権隣接権者への配分もなく(報告は上がってくる)、知り合いの関係者は「慈善事業みたいなものだ」と話していた。
 日本のテレビ番組を見られない在米邦人のために、そのような慈善事業を続けてくれるとはなんとも有難いが、やはり前時代的な感じは否めない。実際、どれくらい利用者がいるのか不明だが、さすがに今日ではネットを使った有料ストリーミングサービスにしてくれた方がユーザーにとっては利便性が高いはず。要は日本からのアクセスを制限できればいいんだろうし、その方が低コストも実現できそう。だいたいアメリカでは「レンタルDVD」という事業形態自体が消滅しているわけで、「郷に入れば郷に従え」ってことで。
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コメント
去年までアメリカに住んでいて、同じことを思ってました。
TV Japanは物足りないと感じたので、解Slingboxというロケフリ機を日本のハウジングに設置して番組を見てました。
いろんな会社があるみたいですが、安上がりだしオススメです。

Maki│URL│2013/11/11(Mon)09:02:45│ 編集
No title
確かにロケフリって色々な機種がありますね。それぞれ使い勝手が良いとか、費用対効果が高いとか、特色があるんでしょうね。

大場吾郎│URL│2013/11/14(Thu)06:35:53│ 編集
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││2013/11/15(Fri)00:20:14│ 編集
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││2013/11/17(Sun)23:22:55│ 編集
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││2013/11/19(Tue)02:08:32│ 編集
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││2013/11/19(Tue)16:48:41│ 編集
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││2013/11/23(Sat)22:08:19│ 編集
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││2013/12/07(Sat)12:49:57│ 編集
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Author:大場吾郎
大学教員であり、メディア研究者。専門は映像メディア産業論やコンテンツビジネス。元々は某キー局勤務。
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